④ 『都市化の陥穽』(左脳的思考への偏重)

(1)20世紀中国の都市化の例

戦後77年間で米国に次ぐGDP第2位の国として今や二大覇権国家の一つとなった中国であるが、自然を破壊して経済成長を最優先したツケとして2001年のSARS、2019年のSARS-CoV-2という2つのSARS系統ウイルス由来感染症が中国から世界中に広まった。中国の急激な経済優先主義(具体的には“世界の工場化”)は即自然界の乱開発(=都市化)に繋がり自然災害感染症として世界中の国に拡大した。EUへの拡大は中国の“一帯一路政策”の終着点イタリアのジェノヴァで端を発した。死亡者数だけでみると戦争の何百倍にも相当するコロナによる死亡者数である。武力は使わずとも経済成長を最大重視した人間の自然界への急激な侵攻はウイルス由来感染症として跳ね返ってきたのである。SARS-1/.2を地球規模の人災として捉えて「人類の自然環境への距離(distance)」の置き方を地球人が手を携えて反省し自然環境保護の在り方を検討するのが「COP」ではないか。地球は経済優先主義で繁栄した所謂先進国々だけのものでは決してないはずだ。地球環境の破壊に飽き足らず莫大なお金を使って宇宙開発に現を抜かす米中二大覇権国家の「バカの壁」を筆者はどうしても乗り越えられない。21世紀に暮らす我々の務めは持続可能な地球を22世紀に確実にバトンタッチすることである。(宇宙ステーションや宇宙服を纏っての月面着陸活動は所詮人類の今の地球環境をそのまま宇宙船内や宇宙服内に持ち込んでいるだけである。二大覇権国家による宇宙への先陣争いが容易に推測できる。

また20世紀の人類は細菌由来感染症に対しては“抗・生物質”を開発して直接削除できたが、細菌の1/100も小さい電子顕微鏡でしか見えないウイルスばかりは直接攻撃あるいは削除する薬剤開発は未来永劫無理だろう。“with コロナ”(共生策)してヒトが本来有する“免疫”を集団で獲得しながら対峙するしかない。自然界への距離を破ってウイルス由来感染症を招いた中国がゼロコロナ政策を敷いている姿は「バカの壁」以外の何物でもない。現実に我々人類の身体内のいたるところに1,000兆個という天文学的数のウイルスと共生してこの貴重な生命を何億年も前から繋いでいるのが現生人類ホモサピエンスである。筆者が申し上げたいことは、『もっと自然の摂理を素直に認めて我々に変えられるものと変えられないものとを見分ける知性を磨くことである』。自然に対して“big head”(自惚れ)な姿勢を改めることである。そして安易に経済活動重視主義に流されて核を翳して戦争が習慣化した地球こそ滅亡寸前の危機に瀕している。人間の真の賢さはどこへ行ったのだろうか。

(2)人類の自然界に対する新しい観点

我々現生人類ホモサピエンスの一番身近な自然が自分自身の身体であることの認識に始まって、人間の身体とは偶有性が宿っている貴重な自然としての存在を改めて感じる。筆者は、自然も自分の身体も共に自らが随意にコントールできる意識世界に属さないことを改めて理解することから新しい自然観が始まる。

最後に「自然と都市の比較表」を提供する。思いつくままに列挙したが下記に表記した以外に両者を比較対象できる語句は多々あると思うので読者も思索を楽しんでいただきたい。そして➂でも述べたが私が考えるヒントとなった「唯脳論」では「脳化社会」に関して養老は以下のように述べているのでご紹介する。『動物は“感覚世界”が優先するのに対して、人間は大脳が作業する“意識世界”が優先する。その「意識的世界」では「ああすればこうなる」と計算や理論で予測可能な社会を作り上げようとする。その際予測やコントロールできない人間社会に存在する偶有性(人間の身体や自然現象)は排除しながら出来上がったものが『脳化社会』である。その具体的なものとして“都市”を挙げる』。その結論は(当然のことだが)最下段に記したように、「自然界=右脳的な平和状態」、「都市=左脳的な戦争状態」ということになる。人類が“都市住まい”を好み、ヒトの脳が左脳的思考へどんどん偏重していっていることが分かる。筆者はプーチン・ロシア大統領の正確な疾患名として、『右脳的思考欠落症』と診断する。彼の国際法違反且つ非人道的行為はすべて右側の言葉で言い得ている。彼の思考習慣はヒトを騙すというKGBスパイ時代に培われたことがプーチン脳の限界である。彼は宗教(ロシア正教)や自然(冬将軍)までも利用してウクライナ戦争の正当性を主張しては戦争を止める気配はない。21世紀のホモサピエンスは、“big-head”なプーチンを反面教師として、もっと自然への畏敬の念を取り戻さなければならない。そして持続可能な地球を今の若者たちへ確実にバトンタッチしていかなければならない。

『自然界と都市の比較』
自然界都市
(意識で創造/管理できない世界)(意識で創造/管理された“脳化社会”)
生物学的世界観機械論的世界観
包容的排他的
アナログデジタル
減エネ増エネ
環境密着環境遊離
潜在意識現在意識
平等競争差別
利他的自利優先
体験優先効率優先
対称性多非対称性多
予測不能性小予測可能性大
つぎはぎ論理
偶有性統計・確立
発生・進化開発・進歩
多様の内発一律的
生命重視機械化
【右脳的な平和状態】【左脳的な戦争状態】

(まとめ)