大英博物館
今回はロンドンには4泊5日しか滞在できないことが予め分かっていた。しかも夕刻に到着し昼前にパリに移動する両端日を除けば実質3日間しかない。古いロンドン、新しいロンドンをこの目で確認して、無事ミッションを遂行した滞在4日目は、やはり「大英博物館」に足が向いた。パリのルーブルを世界一の「絵画芸術美術館」と認めれば、大英博物館は「世界の至宝博物館」として質量ともに世界一の博物館といえよう。これから芸術の都パリに滞在する僕は、絵画が中心の「ナショナルギャラリー」や「テート美術館」等のロンドンの美術館巡りを潔く諦めて、イギリスでしか味わえない(エルミタージュは行ったことが無いがメトロポリタンと比べても)世界一たる博物館の大英博物館に丸1日を費やしたのである。正式にカウントしたことは無いが、駐在期間中には最低2か月に1回は行ったと思うから、かれこれ20回以上は行ったであろうか。それでも2003年の改装後は初めてだし、何よりもお世話になった博物館に久闊を叙する気持ちがあって、無事思いを果たすことができて嬉しかった。ここで大英博物館の説明をクドクドするのは野暮以外の何物でもない。本音を言えば広範過ぎる展覧物に関する見識を持ち合わせていない。物凄い博物館!僕にはただそれだけしか言えないのである。
それでも博物館に行く度に毎回のことながら思うことが2点ある。
その第1点は、お金なんぞに換算できない天文学的数字のお宝を、訪問者に無料でしかも静かに堪能できる環境を1か所で提供していることである。展示品には略奪品も沢山あると聞くが、各国から集められたお宝の気持ちになれば、ここ大英博物館で世界中の人間に一堂に観てもらうことができることに感謝しているのではないだろうか。事実、僕は大英博物館で出会う外国人達に思わず「あなたの国は素晴らしい文化(遺産)がおありですね。お互いに平和を守り続けたいですね」と声を掛けたくなるのである。とあるイスラム集団が自らの歴史的遺産を自らの手で壊したり売却したりしているニュースに対してはコメントするのも汚らわしいが、イギリスが大英博物館を舞台に積極的な国際平和貢献を果たしていることを、ここに足を運んで実感している。今日迄に紆余曲折あっただろうが、大英博物館が存在しているのは、イギリスが歴史的に積み上げてきた国力のお蔭だと思う。僕が言う国力とは、経済力、軍事力などのハード面よりも、寧ろ人間の心などソフトの面での国民性という文化的国力である。人間に品格があるように国にも「国格」なるものが必ずある。僕がイギリスを愛して何度でも訪れたくなる由縁である。
第2点目は簡単に言えば「学校で学び、本で読み、写真で見たものは、大英博物館を観るに如かず(劣る)」。この方は実際に大英博物館に足を運んだ方なら、必ずや頷いて戴けると思う。やはり、イギリスは凄い。
